7月の感染症情報|はせがわ小児科 京都市上京区 千本一条

感染症情報

7月の感染症情報

2025年07月01日現在の感染症情報

熱中症

 感染症ではありませんが、6月末から真夏の暑さになっており要注意です。炎天下で大量に汗をかきすぎると、体の水分や塩分が失われ、体温調節がうまくできなくなるのが熱中症です。乳幼児は自分で自らの体調の変化を訴えられず、屋外で遊んでいると夢中になり、身体に異変が起きていても気づきません。したがって、異変がないか、周囲の大人が気にかける必要があります。
 子どもが元気がない、活気がなくなってきている場合、軽い熱中症の可能性があります。衣類を緩め、涼しいところに頭を低くした状態で寝かせます。太い血管のある「わきの下」や「首」などを氷で冷やしたり、冷たい濡れタオルで身体を拭きます。
 塩分・糖分が含まれたイオン飲料を、こまめに少しずつ飲ませましょう。睡眠がとれているのにあくびをしていたり、汗を大量にかいていたりする時は、注意が必要です。だるさ、吐き気程度であれば、イオン飲料を与えてみて、飲めれば様子を見る、飲めなければ病院を受診。応答ないなど、少しでも意識状態がおかしければためらわずに救急車を呼びましょう。一刻を争う状態と考えてください。
 

りんご病

 ヒトパルボウイルスB19というウイルスによる感染症です。4~5歳の児を中心に保育所などでの流行がみられています。両頬がりんごのように真っ赤になり、腕や太ももに網目状の紅斑がでます。1週間くらいで自然に治癒し、赤い発疹が出た後は周りの人に感染することはありません。感染力が強いのは両頬に発疹が出る約1週間前頃で、この時期に感染が広がりやすいと考えられています。妊婦が感染した場合は、胎児に異常をきたしたり、流産の恐れがあるため注意が必要です。 

百日咳

 引き続き百日咳の患者の発生が報告されています。百日咳は特徴的な咳が長期間続く感染症です。抗菌薬の投与を早期に開始することによって、症状の軽減化と有症期間の短縮がみられますが、抗生剤耐性の菌が増えているという情報があります。生後2か月以降、定期接種(5種混合)としてワクチン接種ができます。乳児期の百日咳は重症化することが多く、ワクチンで予防することが最も重要です。