1月の感染症情報
インフルエンザ
流行のピークは過ぎたようですが、患者数は依然として当院でも1日数人レベルで流行は続いています。ワクチン接種していても罹患することはありますが、軽症で経過している印象です。例年A型の流行後にB型の小流行がありますが、流行のパターンがコロナ禍後から変化しており、予想ができません。
溶連菌感染症
以前は春から初夏にかけて流行していましたが、最近は1年を通してみられます。今も保育園を中心に流行しているようです。高熱、咽頭痛、体幹中心に淡い発疹を認めます。自然経過でも数日で改善しますが、発症後1か月くらいして急性糸球体腎炎やリウマチ熱を合併することがあり、その予防のために抗生剤を5-10日間服用します。抗生剤を服用するとすぐ解熱し、24時間平熱が確認できれば登園、登校は可能です。迅速検査で確定診断できます。今回は溶連菌感染症の二つの合併症について説明します。
1)溶連菌感染後急性糸球体腎炎
これは溶連菌の感染症が一段落した後、免疫反応により腎臓の糸球体と呼ばれる部位に炎症が生じる病気です。小児だけでなく成人でも発症することがあります。尿の色が赤茶色になる血尿や全身のむくみなどの症状で発症します。症状には個人差があり、軽度ですむ場合から重度の合併症を伴う場合まで幅広いため、早期に気づいて対処することが重要です。多くの場合入院治療が必要です。治療と十分な安静を行えば回復しやすいものの、放置すると慢性の腎機能障害を合併することがあります。
2)リウマチ熱
リウマチ熱とは、溶連菌に対する免疫反応によって生じる抗体が関節や心臓、神経などの組織を攻撃してしまうことで生じるまれな炎症性の合併症です。炎症部位に応じて発熱や関節痛、胸痛、発疹、不随意運動などの症状が現れます。リウマチ熱でみられる皮膚症状は、輪状紅斑(輪を描くように拡大する平らな発疹)や、皮下結節(皮膚の下の小さくて硬いしこり)です。心臓の炎症は後遺症が生じる場合があることから注意が必要です。リウマチ熱を発症した場合入院治療が必要になります。