12月の感染症情報|はせがわ小児科 京都市上京区 千本一条

感染症情報

12月の感染症情報

2025年12月02日現在の感染症情報

インフルエンザ

 今シーズンのインフルエンザは例年より約2ヶ月早く流行が始まり、過去10年間で最大規模の流行になる可能性が指摘されています。当院にも多くの患者さんが受診しています。周りの小学校も学級閉鎖が増えてきました。今回の感染症情報はインフルエンザ特集とします。

今年の特徴

 厚生労働省の報告では今季流行しているインフルエンザウイルスのほとんどがA香港型であり、その約96%が新変異株「サブクレードK」とのことです。感染拡大のスピードが速い一方、重症度は従来と変わらないと分析しています。抗インフルエンザ薬の効果も従来と変わりません。

症状

 突然の38℃以上の高熱や、関節痛、筋肉痛、頭痛などの他、全身倦怠感、食欲不振などの全身症状が強く現れるのが特徴です。頻度は少ないですが、吐き気や腹痛、下痢などの消化器症状が出ることもあります。自然経過では発熱は3-4日続きますが、その後軽快していきます。軽症のまま改善することも多いですが、時に気管支炎、肺炎などを引き起こすこともあります。また、まれですが急性脳症に至ることもあります。

異常行動に注意!

 インフルエンザでは、インフルエンザ脳症とは別に、異常行動がみられることがあります。特に、就学以降の小児・未成年者で報告が多く、発熱から2日以内に発現することが多いといわれています。具体的な症状としては、以下のようなものが報告されています。
・突然立ち上がって部屋から出ようとする。
・興奮して窓を開けてベランダに出て、飛び降りようとする。
・外に走り出す。突然笑い出し、階段を駆け上がろうとする。
・変なことを言い出し、泣きながら部屋の中を動き回る。
発熱から2日間はできるだけ目を離さないようにしてください。

予防法

 ワクチン接種は有効ですが、完全に予防できるわけではありません。かかっても重症化を防ぐ効果はあります。日常生活での感染予防法としては、人混みを避ける、人混みに行く時はマスク着用、帰宅時には手洗いうがいをするといったことをこころがけましょう。どんな感染症にも有効な予防法です。